庭と植物のコト
第6回|庭木の葉が変!|葉に白い粉・穴・虫!病気と害虫の見分け方
庭木を見ていると、
「葉に白い粉がついている」
「葉に穴があいている」
「葉の裏に小さな点がある」
「葉がベタベタする」
そんな変化に気づくことがあります。
私たちは、こうした植物の異常をまとめて「病害虫」と呼ぶことがありますが、病気と害虫では原因も対処方法も違います。
まずは、どんな変化が起きているのかをよく観察すること。
それが、病害虫防除の第一歩です。
葉に白い粉がついていたら「うどん粉病」を疑う
葉の表面に、うどん粉をまぶしたような白いものがついていたら、うどん粉病の可能性があります。
うどん粉病は、虫ではなくカビの仲間による病気です。
九州では、ゴールデンウイーク頃から梅雨前にかけて目立ってくることが多い印象があります。
乾燥していて、気温が高めの時期に発生しやすく、真夏の30℃を超える頃にはいったん発生がゆるやかになり、秋に気温が少し下がると、再び目立つことがあります。
見つけたら早めに対処し、殺虫剤ではなく殺菌剤を使用します。
葉に穴があるときは「食べる虫」を疑う
葉に穴があいていたり、葉の縁が食べられていたりしたら、毛虫やイモムシ、バッタなど、葉を食べる害虫を疑います。
特に注意したいのが、ツバキなどにつくチャドクガや、黄緑色で短い毛が束になって生えているイラガです。
どちらも、庭仕事の際には直接触れないよう注意が必要です。
木の下の「フン」も手がかり
毛虫やイモムシが葉を食べていると、木の下に小さなフンが落ちていることがあります。
幼虫が成長すると、フンもだんだん大きくなっていきます。
「この木の下だけ、ころころしたものが落ちている」
そんなときは、葉の裏を確認してみてください。
フンが小さいうちに異変に気づくことも大切です。
害虫の種類や成長段階によって適した薬剤は違うので、できれば「何の虫なのか」を確認してから殺虫剤を選びます。
葉裏に白い点や茶色い点があるときは?
葉の表にはそれほど変化がないのに、葉裏に白っぽい点や茶色っぽい点が細かくついている。
そんなときは、ハダニなどの吸汁性害虫を疑ってみます。
ハダニは1mm以下のものも多く、肉眼では見つけにくい害虫です。
葉から汁を吸うため、被害が進むと、葉が白っぽくかすれたように見えたり、葉色が悪くなったりします。
特に高温で乾燥した時期は注意が必要です。
ハダニを疑った場合は、一般的な殺虫剤では十分な効果が得られないこともあるため、対象害虫としてハダニが適用になっている殺ダニ剤を選びます。
葉がベタベタする。これは何のサイン?
葉を触ってみたら、なんだかベタベタする。
そんなときは、アブラムシやカイガラムシなど、植物の汁を吸う害虫がついていないか確認してみましょう。
こうした害虫は植物の汁を吸い、糖分を多く含む排泄物「甘露」を出します。
この甘露が葉や枝に付着すると、ベタベタした状態になります。
アリが増えていたら、アブラムシがいるかも
アブラムシの甘露をアリが好むため、庭木に急にアリが増えてきたら、その周辺にアブラムシなどの吸汁性害虫がいないか確認してみてください。
葉の表だけでなく、葉裏、新芽、やわらかい枝などもよく見てみましょう。
ベタベタした葉に黒い「すす」があったら?
ベタベタした葉の表面に、黒いすすのようなものがついていたら、すす病の可能性があります。
アブラムシやカイガラムシなどが出した甘露を栄養源として、すす病菌が葉や枝の表面で繁殖し、黒く汚れたように見えることがあります。
この場合は、黒い汚れだけを見るのではなく、その原因になっている害虫を探すことが大切です。
病害虫防除の基本は「観察・予防・早期対策」
茶花の里が大切にしている病害虫防除の基本は、3つです。
日頃の観察。
病害虫を寄せ付けない環境づくり。
発生したら、初期段階で対策すること。
毎日の水やりや庭のお手入れのついでに、葉の表だけでなく、葉裏や枝、木の根元まで少しだけ見てあげる。
葉の色、穴、ベタつき、フン、木くず、アリの増加。
小さな変化に早く気づくことが、最初の防除です。
また、土の状態、水はけ、乾燥、枝葉の混み具合など、植物が健康に育つ環境を整えることも大切です。
どれだけ気をつけていても、病害虫が発生することはあります。
そんなときは、病気なのか、どんな害虫なのかを見極め、被害が広がる前に適切な対処をします。
植物も、生き物です
植物は、ただそこに置いてあるものではありません。
人も、猫ちゃんも、ワンちゃんも、それぞれ生きているように、植物も生きています。
暑ければ暑さに苦しみます。
水が足りなければ、元気をなくします。
根が傷めば、葉や枝に変化が現れます。
病気になったり、害虫に食べられたりすることもあります。
だからこそ、庭木のお手入れは、決められた作業をただ繰り返すのではなく、その日の植物の様子を見ながら、必要な手をかけてあげることが大切です。
「今日は元気かな?」
「葉の色はいつもと同じかな?」
そんなふうに、植物を一つの生き物として見てあげてください。
植物は生き物。
そのことを忘れずに、ゆっくり、長く、お庭と付き合っていただけたらと思います。 文責 高良秀子