庭と植物のコト

第4回|庭木の葉が変!「根」かもしれない|根が張れない土・根腐れに注意

前回は、庭木を植える前の「土づくり」についてお話ししました。

今回は、その土の中で実際に伸びていく**「根」**についてです。

根は、地上からは見えません。

でも、樹木が元気に育つかどうかは、根がどれだけしっかり張れるかに大きく左右されます。

根が張れない場所では、庭木は元気に育たない

庭木を植えても、根が十分に伸びられない場所があります。

例えば、

  • 土が固く締まっている
  • 有機物が少ない
  • 水が抜けにくい
  • 土の中に水がたまっている
  • 建築廃材やコンクリート片などが残っている

といった場所です。

多少の自然石が混ざっている程度なら、大きな問題にならないこともあります。

でも、ブロック塀のかけらや建築廃材など、根の伸びを妨げるものがある場合は、植え付ける前に取り除きます。

根は、土の中を少しずつ伸びていきます。

だからこそ、根が伸びていける土であることが、とても大切なのです。

水がたまる場所では「根腐れ」を疑う

庭木の元気がないときに、つい「水が足りないのかな?」と考えてしまいます。

でも、土がいつも湿っているのに元気がない場合は、逆に根腐れを疑ってみる必要があります。

根腐れは、単純に「水をたくさんやったから」起こるわけではありません。

雨が降ったあと、いつまでも水が抜けない。

植穴の底に水がたまっている。

そんな場所では、根の周りの通気が悪くなり、根が弱ってしまうことがあります。

水がたまり続けると、土の中の酸素が不足してしまいます。

そして根が弱ってくると、今度は土壌中にいる根腐れの原因となる病原体の影響を受けやすくなります。

つまり、

水がたまる
→ 根が弱る
→ 根が傷む
→ さらに水や養分を吸いにくくなる

という悪循環が起こることがあります。

植物にとって、水は必要です。

でも、それと同じくらい、根が呼吸できる環境も必要なのです。

根腐れを疑うときのサイン

根腐れというと、葉が茶色くなって枯れていくイメージがあるかもしれません。

でも、初期の段階では、必ずしも葉が茶色く枯れるとは限りません。

私たちが注意して見るのは、

土がいつも湿っている。

雨が降って何日もたっているのに、土が乾かない。

葉はまだ緑なのに、元気がない。

葉色は悪くないのに、しわしわになってきたり、張りがなくなったりする。

水をやっているのに、植物が元気にならない。

こうした状態が見られる場合は、単純な水不足ではなく、根の状態を疑ってみる必要があります。

「水をやっているのに、葉がしわしわになってきた」

そんなときは、さらに水を足す前に、土が乾いているのか、いつも湿っているのかを一度確認してみてください。

根が傷む原因は、害虫の場合もあります

根が十分に張れない原因は、土や水はけだけではありません。

土の中で、根そのものが食べられていることもあります。

代表的なのが、コガネムシ類の幼虫による根の食害です。

コガネムシ類の幼虫は土の中で生活し、植物の根を食害します。

この被害は、カミキリムシのように「突然枯れた!」という感じではなく、

「なんとなく元気がない」
「葉色がよくない」
「なかなか大きくならない」

というように、じわじわと現れることがあります。

例えば、春の芽立ちまでは正常だったのに、5月頃から急に元気がなくなってきた。

そんなときは、単純な水不足だけではなく、害虫による根の食害なども疑います。

特に鉢植えでは、植え替えの際に、土の中から白っぽい幼虫がぽろぽろと出てきて、初めて気づくことがあります。

ブルーベリーなど、鉢で育てている植物が「枯れてはいないけれど、どうも元気がない」というときは、土の中を一度確認してみるのも大切です。

葉だけを見ていても分からない。
根を見て、初めて原因が分かることもあります。

樹木は、枯れるときも「じわじわ」です

私たちの感覚では、樹木は突然枯れるものではありません。

もちろん、植え付け後に水やりをしなかったなど、必要な管理を怠れば、急激に枯れてしまうことはあります。

でも、きちんと管理している樹木が弱っていくときは、多くの場合、少しずつ変化が現れます。

葉の色が悪くなる。

新芽の勢いが弱くなる。

枝の伸び方が少なくなる。

葉が小さくなる。

そして、少しずつ枝が枯れ込んでいく。

古木などでは、こうした変化がもっとゆっくり進むことがあります。

10年くらいの時間をかけて、少しずつ弱っていく。

そのため、ある日突然枯れたように見えても、実際には何年も前から少しずつ樹勢が落ちていた、ということがあります。

だからこそ、庭木は「枯れたか、枯れていないか」だけを見るのではなく、毎年の葉の量、新枝の伸び方、葉色などを見ながら、少しずつ変わる状態に気づいてあげることが大切です。

根の状態は、地上の変化からも読み取れる

根は土の中にあるため、毎日直接見ることはできません。

だからこそ、私たちは葉や新枝の変化から、根の状態を想像します。

「今年は新枝の伸び方が違う」
「葉色がおかしい」
「水をやっているのに、しわしわになっている」

こうした小さな変化は、樹木からのサインかもしれません。

庭木の元気は、土の中からつくられています

そして、根が健全に育っているかどうかは、時間をかけて少しずつ見えてきます。

次回は、植え付けた樹木が、その場所に馴染んでいくまでの時間についてお話しします。

「植えたのに、なかなか育たない」
「移植したら花が咲かなくなった」

そんなときに知っておきたい、樹木の「根づき」と移植後の変化についてご紹介します。