庭と植物のコト
第3回|庭木の葉が変! 植える前に知っておきたい「土づくり」|庭木が元気に育つ土とは?
「庭木植えたのに、なかなか育たない」
「水やりしているのに元気がない」
「雨がふると、いつまでも土が湿っている」
「逆に水をやってもすぐ乾いてしまう」などなど、こんなお悩みをよくご相談いただきます。
庭木を植えるとき、
「どんな木を植えよう?」
「どんな花が咲くかな?」
と、植物選びを楽しむ方は多いと思います。
でも、実はその前に、とても大切なことがあります。
それが、土づくりです。
土づくりは、とても重要です。
しかも、植えた後の葉や花のように目に見えるものではないので、少し分かりにくい。
でも、植えた後に樹木が元気に育つかどうかは、その木が根を張る土の状態によって大きく変わります。
庭木が育ちやすい「いい土」とは?
植物によって好む土は違いますが、庭木の植栽で基本となるのは、
水はけがよく、水持ちもよいこと。
そして、適度な有機物が入っていること。
この3つです。
「水はけがよくて、水持ちもいい?」
一見、反対のことのように思えます。
でも、理想は、雨が降ったあとにいつまでも水たまりにならず、かといって、すぐに乾ききってしまわない土です。
茶花の里では、雨上がりにできた水たまりが、1日程度で引くくらいを一つの目安として、土の状態を見ています。
福岡の庭では「真砂土」が基本になることも
もともと庭として使われていた場所なら、今ある土の状態を確認し、その土を活かしながら改良します。
一方、雑草が繁茂していたり、表土を30cmほど入れ替える必要がある場合などは、福岡県では基本となる土として真砂土を使うことがあります。
ただし、真砂土を入れれば、それですべての植物が元気に育つわけではありません。
その場所の土が何に不足しているのか。
植える樹木がどんな環境を好むのか。
それを見ながら、必要な土壌改良材を加えていきます。
土壌改良材は、それぞれ役割が違います
茶花の里では、土の状態に応じて、パーライト、調整ピートモス、バーク堆肥などを使い分けます。
パーライト|土の中の環境を整える
パーライトは多孔質の資材です。
水分を保持する働きがある一方、土の中にすき間をつくり、排水性を改善する働きも期待できます。
粒の大きさによっても役割が変わるため、土の状態に合わせて使います。
調整ピートモス|水分を保ち、土をふかふかに
ピートモスは、水分や肥料分を保持しやすく、土をふかふかにして、根が伸びやすい環境をつくる土壌改良材です。
植栽では、酸度を調整した調整ピートモスを使います。
茶花の里では、土の改良だけでなく、仕上げにマルチングとして使うこともあります。
土の表面を覆うことで、乾燥を抑え、雑草を生えにくくする効果も期待できます。
バーク堆肥|土そのものを良くする
バーク堆肥は、有機物を補給し、土の物理性を改善するために使います。
土に有機質を加えることで、根が育ちやすい環境をつくります。
「同じ土」ではなく、「その場所の土」を見る
土づくりで大切なのは、最初から決まった配合を入れることではありません。
その場所に何が足りないのかを見て、必要なものだけを補うこと。
これが基本です。
例えば、植穴を掘ると。。。
掘ったら水がたまる
水が抜けにくい場所では、植穴そのものを大きな植木鉢のように考えます。
必要に応じて、大粒のパーライトを鉢底石のように使って排水性を確保したり、根鉢を地面より少し高くして植え付けたりします。
大切なのは、根の周りに水が滞留しないようにすることです。
スコップが入らないほど土が固い
土が固すぎる場所では、根が伸びることができません。
また、固い層があると、水も根も通りにくくなります。
そのため、深く耕して土をほぐし、必要に応じて固く締まった層を崩します。
そのうえで、ピートモス、バーク堆肥、小粒のパーライトなどを加えて土の状態を改善します。
場合によっては、元の土を大きく入れ替え、培養土を使うこともあります。
真砂土だけでサラサラしている
一見すると扱いやすそうですが、有機物が不足している場合があります。
そのときは、ピートモス、バーク堆肥、パーライト、もみ殻燻炭などを加えて、土の物理性を改善します。
「根が育つ土」に変えていくという考え方です。
粘土っぽい土
粘土質で水はけが悪い場合は、よく耕したうえで、必要に応じて真砂土などを使って土の状態を調整します。
さらにピートモス、バーク堆肥、パーライトなどを加え、排水性と根の伸びやすさを改善します。
以前の建物の基礎や砕石が出てくる
新築後などの庭では、植穴を掘ると、以前の建物の基礎や砕石などが出てくることがあります。
こうしたものが根の伸びを妨げる場合は、取り除いて土を入れ替えます。
状況によっては、ごっそり掘り取り、培養土などに入れ替えることもあります。
土づくりには「これが正解」という配合はありません
ここまで読んで、
「では、ピートモスを何袋、パーライトを何袋入れればいいの?」
と思われるかもしれません。
でも、実際には一概には言えません。
土の状態も違います。
植える場所も違います。
植える樹木も違います。
だからこそ、茶花の里では、掘った土を見て、その場所に足りないものを考えて調整します。
少し改良すればよい場所もあれば、土そのものを大きく入れ替えたほうがよい場所もあります。
植え付け後には、有機質の肥料を施しています。土の中でゆっくり分解され、少しずつ有機物を補いながら、時間をかけてよい土に育てていくためです。
さらに有機分が足りない場合には、ピートモスなどをマルチングとして使うこともあります。土の表面を覆うことで、乾燥を抑え、水分の蒸散をゆるやかにする効果も期待できます。
土は、上から見ただけでは分からない
庭の土を見て、
「ここは大丈夫そう」
と思っても、実際に植穴を掘ってみると、下から水が出てきたり、固い土の層が出てきたり、砕石や基礎が出てきたりすることがあります。
だから、庭木を植えるときに大切なのは、地表だけを見ることではありません。
「この木を植えて大丈夫な土か?」
「根が伸びていける場所なのか?」
「水は抜けるのか?」
そのあたりの確認して、初めて植栽の準備が整います。
土づくりは、庭木を植える前の見えない仕事。
でも、その見えない土台があるからこそ、植えた後の樹木が元気に根を張り、長く庭を楽しめるのだと思います。
「植えた木がなかなか育たない」
「水やりをしているのに元気がない」
そんなときは、木だけではなく、土を一度見直してみることも大切です。
次回は、土の中にある「根」に目を向けます。
庭木が育たない原因は、根にあるのかもしれない。
根が伸びる場所があるか。
水と空気が根に届いているか。
根の周りに障害物や固い層がないか。
こうした点を確認することが、庭木を元気に育てる近道になります。
次回は、土の中にある「根」に目を向けます。
庭木が育たない原因は、根にあるのかもしれない!?原因を探っていきましょう
庭植えで起こりやすい、根が十分に張れない状態や根腐れ、植え付け時に確認したい根の状態について、詳しくご紹介します。